モダングラフィックデザインと写真は視覚的コミュニケーションの性格から両輪のごとく発展し、特にモダニズム期に前衛芸術家によって発見された新しい視覚表現は、国境を超えて国際的な規模で拡大し、大衆文化形成に深く関わってきました。しかしそこには、はからずも政治的な場面で活用された写真とデザインは、芸術家の意図から離れ「前衛」から「キッチュ」へと変容するというパラドックスもみられます。
今回のシンポジウムでは、ユーゴスラヴィアの写真史家ミランカ・トージッチ教授と日本近代写真史の専門家・金子隆一氏、ポーランド美術史の加須屋明子氏をお招きして、こうしたモダニズムと視覚文化の問題をを討論します。
2009年7月25日(土)午後2時から5時
埼玉県立近代美術館2階講堂
さいたま市浦和区常盤9-30-1
参加費 一般1,000円、学生500円、事前予約不要
(研究会会員および埼玉大学生は無料)
共催 埼玉大学大学院文化科学研究科
プログラム
13:30 受付
14:00 開会あいさつ
14:05 第1部:基調講演
ミランカ・トージッチ(ベオグラード芸術大学教授)
「第二次世界大戦後のユーゴスラヴィアにおける写真とプロパガンダ」
金子隆一(東京都写真美術館専門調査員)
「アマチュア写真家と『報道写真』」
加須屋明子(京都市立芸術大学准教授)
「ポーランドの視覚文化にみるポリティックス」
16:00 第2部:パネルディスカッション
パネリスト:ミランカ・トージッチ、金子隆一、加須屋明子
コーディネーター:井口壽乃(埼玉大学教授/研究会代表)
17:00 閉会