グローバルな視点からデザイン史研究の発展の経緯を見てみますと、20世紀初頭までは、主に工芸家やデザイナーなどの実践家によってその歴史が語り継がれ、両大戦間期にニコラウス・ぺヴスナーやハーバート・リードのようなモダニストのイデオローグたちによってデザイン史はモダン・デザインの発展史として登場するに至りました。その後、デザインにおける近代運動への批判の高まりとともに1970年代以降、その姿を大きく変えて今日まで継承されてきています。果たしてデザイン史研究は誰のためにあるのでしょうか。自文化や異文化理解のためデザイン史、企業家や消費者のためのデザイン史、デザイナーやクリエイターのためのデザイン史、鑑賞教育や体験学習のためのデザイン史——このシンポジウムでは、こうしたデザイン史研究の今日的射程を巡って語り合いたいと思います。
2007年7月16日(月・祝)午後1時から5時
埼玉大学 東京ステーション・カレッジ
参加費 一般1,500円、学生500円(研究会会員は無料)
共催 埼玉大学大学院文化科学研究科
プログラム
第1部 基調講演
ジョン・ヘスケット(香港理工大学教授)
第2部 基調報告
栄久庵祥二(日本大学教授)
長澤忠徳(デザイン・コンサルタント、武蔵野美術大学教授)
第3部 パネルディスカッション
パネリスト:ジョン・へスケット、栄久庵祥二、長澤忠徳
コーディネーター:井口壽乃(埼玉大学教授、デザイン史学研究会副代表)