50th Research Workshop

デザイン史学研究会の皆様
第50回研究発表会を下記日程、Zoomミーティングにてオンライン開催致します。

◎日時:2023年3月25日(土) 14:00-
◎会場:オンライン開催(Zoom)
◎アクセス:会員の皆様へニュースレターにてお知らせいたします

【研究発表 Presentation1】
押野 みのり/Oshino Minori

【発表題目 Title】
近現代のいけ花の位置付け̶「美術」を中心とした構造における周縁化
The Positioning of Modern and Contemporary Ikebana: Peripheralization in
a Structure
Centered on “Art”

【概要 Abstract】
本研究の目的は、いけ花の切り口から美術領域の階級や周縁化の問題に取り組むことである。
明治期において、西洋「美術」概念が輸入されると、日本の諸芸術は絵画や彫刻を頂点とする「美術」制度に組み込まれた。
これにより、いけ花は「美術」から疎外された一方で「遊芸」を格下のものとするなど、「美術」を中心とする構造の中で複雑に位置付けられることとなった。
さらには、いけ花領域内にも階級性があり、女性よりも男性の方が優れた作品を作るとする言説が繰り返されてきた。
以上を踏まえ、(1)「美術」制度の形成、(2)作り手のジェンダーの2つの観点から、近現代のいけ花に関する言説を分析し、いけ花の周縁化について考察する。

【研究発表 Presentation 2】
安野花菜 / Yasuno Kana

【発表題目 Title】
和製マジョリカタイルの受容と変容 -近代日本と日本植民地期の台湾を比較として-
The Reception and Transformation of Japanese Majolica Tile-A Comparison
of Modern Japan and Japanese Colonial Taiwan-

【概要 Abstract】
 和製マジョリカタイルは、大正から昭和10年代を中心に日本で製造された多彩色タイルである。
 本研究は和製マジョリカタイルが台湾に比べ日本であまり現存していないに着目し、
(1)和製マジョリカタイル及び同時期のタイルと「近代」との結びつきや動向についてまとめる。(2)日本国内外のタイルの流通量の違いや台湾との消費のされ方の違いについて分析し、同時代の建築思想から検討する。という研究目的を2点を設定した。さらに、和製マジョリカタイル研究の知見を広げることを最終目的としている。
 本研究は近代日本と日本植民地期の台湾の2地域を対象とした横断的な視点から、和製マジョリカタイルと近代の結びつきについて検討している。